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広がる「同性婚」の合法化

 いわゆる「同性婚」の合法化が欧米を中心に広がっている。2001年のオランダをかわきりに、これまでに同性愛カップルの結婚を法律で認めた国は14か国。米国では、国全体で同性婚を認めるかどうかの連邦最高裁判断が近く出る予定だ。
 欧米を中心になぜ同性婚が広がるのか。米国のオバマ大統領が今年1月に行った2期目の就任演説の言葉は、同性婚支持派の考え方を端的に示しているので紹介する。

 欧米の人権思想にはキリスト教と深く関わっており、これまでは信仰心がその暴走を防ぐ役割を果たしてきた。そのことは「神の下での平等」を説くキリスト教が本来、同性婚を禁じていることでも分かる。逆に言えば、同性婚容認に傾くのは、信仰の形骸が進んだことが〝権利の暴走〟につながったのだ。

 もう一つの要因は、結婚制度の社会的意義が軽視される風潮が強まったことだ。結婚を愛情と権利の問題としてだけ考えるなら、一夫多妻など、あらゆる形態を容認しなければならないが、それを禁じるのは秩序の混乱や、公共の利益の破壊を防ぐためだ。つまり、結婚には、男女の愛情と同じくらい社会的な意義も重要なのだが、当人の愛情と権利偏重の風潮で、その視点が埋没してしまっているのだ。

 今後、同性婚の合法化によって、子供の養育問題が浮上するだろう。同性カップルに男女の夫婦と同じ権利が付与されれば、子供を養子にとって育てる権利ばかりか、人工授精による出産や代理母を頼む権利も認めることになるが、それはすなわち子供の人権に関わってくる問題である。愛情や個人の権利だけの観点で捉えて「2人が幸せならそれで良し」とならないのが結婚制度である。

グラフ

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