情報室

「性」の乱れが生む児童虐待

 児童虐待が年々、悪化の一途を辿っています。全国の児童相談所が昨年度に対応した虐待の相談件数は5万9862件で、21年連続で過去最多を更新しました。死亡した子供は51人に達しています。もっとも信頼していいはずの親から虐待される幼い子供の苦しみを思うと、胸が痛みます。

 この現実はいったい何を意味するのでしょうか。その答えのヒントは、厚労省が今年7月にまとめた「死亡事例等の検証結果」の報告書の中にあります。新生児の死亡例では、10代の母親が加害者となるケースが多く、その背景に「望まない妊娠」があったことが分かっています。親になる自覚も責任も持たない中で出産しても、子供に対する愛情が十分に持てずに虐待してしまう心理状態に陥ることは容易に想像がつきます。

 「望まない妊娠」が虐待を引き起こすのは何も死亡例に限ったことではありません。夫婦が心から愛し合って、待ち望んで生まれた子供に対しては自然に愛情が湧いてきますから、たとえ経済的に貧しくても力を合わせて、子供をりっぱに育て上げようと努力するはずです。

 つまり、虐待の根本原因は男女の性関係の乱れ、あるいは欲望に任せた無責任な性行為があり、それが親の愛情を歪めて虐待の増加を招いているのです。この問題に触れずに、現在のような対症療法に終始していては犠牲となる子供は減るはずはありません。本当に虐待をなくそうとするなら、若者に男女の健全な性関係の重要性を教えることが不可欠なのです。

 虐待が深刻化しているとの認識は社会に広がっています。メディアもそう伝えています。その一方で、性の乱れに寛容で、「できちゃった婚」を容認するばかりか、煽っているのもメディアです。その結果、現在、第1子のうち4人に1人は、親が結婚前に妊娠した子供となっています。そのすべてが「望まない妊娠」とは言いませんが、ここまで性の乱れが進んだのでは、虐待が増加するのは当然と言えるでしょう。

グラフ

pdficonPDFファイル(157.0KB)